第8回委員長記
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「2002年度企画総会終了しました!」

☆ちょっと言い訳・・・
9月に入ってすぐに「ベッカンコおに」の取り組み・・・月末には、安佐北区の協力を受けて「1日プレイパーク」の開催・・・毎日がばたばたと過ぎてしまい、なかなか委員長記の更新が出来ませんでした。

しかしもちろんその間も、活動は途切れることなく続いています。

☆企画総会・・・
そして、去る10月15日(火)安佐北区総合福祉センター6階会議室において、2002年度企画のための総会が開催されました。
この会議は、2003年7月〜2004年6月の鑑賞事業についての作品選びを検討、決定するもので、今後の私たちの活動の柱の一つとなる大切な会議です。
ここで選ばれた作品を持って、10月29日に開かれる、中四国の調整会議に事務局長のFさんが参加してくれるのです。

今年度の鑑賞事業に関しては、本当にラッキーなことに社会福祉医療事業団の助成金が交付されているので、今の現状の動員数を維持できれば、なんとか最終的に不足金を出さずにすみそうなのですが、それ以降の事業については、慎重に検討・決定する必要があります。

☆法人化以前・・・
会員数の減少とともに、それまでの体制では、安佐北区での鑑賞が難しくなることが予想され、また、市内の他の劇場とは地域的に、活動の展開の方向性が違うということが分かってきた3年前・・・
それでも、この場所・地域での鑑賞を大切にしたい!・・・という思いを大切にするために、みんなで知恵を出し合って実現した法人化・・・
その時点で、これまでのように年4〜5回の鑑賞は無理だと言うことは分かっていたのですが、鑑賞作品を決定するのは2年前というシステムの中で、この1年半は、すでに決まっていた鑑賞事業を、なんとかみんなで乗り切ることだけに全力を傾けてきました。

☆法人化以降・・・
しかし、NPOの精神と、私たちの活動のミッションを深く考えたときに、それまでの会員制を大幅に切り替えて会員、会員外すべてが鑑賞事業を選択し、そのつどチケットを購入するという方法を選んだために、会のことを気遣ってくださる会員の皆さんは、会員外の人たちにチケットを売りさばくことに追われ、正直言って、今は疲れがピークに来ている状態です。

せっかく、子どもたちに豊かな文化を届けたい!と願っても、その思いを受け止めてくれる受け皿がなければ私たちのミッションの実現はとても難しいものになるでしょう。
私たちが本当に伝えたいことが何なのか・・・ということを、一番分かってもらえる作品・・・ということで昨年唯一企画作品の中から選んだのが「ベッカンコおに」でした。

☆これから大切にしなければならないこと・・・
動員数は、目標には達しませんでしたが、会場に来てくださった皆さんは、まちがいなく私たちの思いを受け止めて帰ってくださったことでしょう。
そして、「ベッカンコおに」が素晴らしい作品だったからこそ、今後の作品選びにはより慎重になる必要があるのです。
従来の会員制のなかでは、限られた予算の中で、毎月の会費に対して、会員が納得いく作品数を選んでいくことが優先されていました。
従って、中には作品としては満足できない作品もあったのです。
けれども、これからは、豊かな文化を提供するというミッションのもと、作品数ではなく作品の質にこだわっていかなければならないと言うのが、今回の総会での議論の中心でした。

☆大会場作品・・・
結果、大会場作品については年1回、小会場作品はこだわって選んだ作品を数ステージ実施するという、委員会からの提案が承認されました。
具体的な作品としては、2003年9月に大会場作品として、こんにゃく座の「どんぐりと山猫」を企画しています。この作品は、参加型作品で、約30人の小学校2年生〜中学校2年生までの子どもたちが、こんにゃく座の方から2回のワークショップを受けて、当日一緒に舞台に参加します。
私たちが活動の一つとして掲げている、子どもたちの表現活動の実践にもなる作品なのです。

☆え〜っ!知らないの?!
この作品について検討しているときに、あることに気づき、また大変驚きました。
会議に参加している正会員のうちほとんどの人たちが、こんにゃく座の舞台を見たことがなかったのです。
私や数人の人たちは、いわゆる手打ち公演や、県内の民間のグループが主催して実施された「森は生きている」や「魔法の笛」「セロ弾きのゴーシュ」などのこんにゃく座の作品を見たことがあるのですが、劇場の例会しか見たことのない人は、まだこんにゃく座に出会っていなかったのです。
だから、今回の「どんぐりと山猫」に関しても、なんとなく不安があったらしいのです。
けれども、これまで劇場の例会で、こんにゃく座が取り上げられなかったのは、作品のレベルが低いのではなく逆にレベルが高すぎて公演料も他の作品と比べたときにどうしても割高になってしまうからなのです。
先ほども書いたように、会費に対しての作品数・・という考え方では、どうしても一つ一つの作品にかけられる予算が限られてきます。
一つの作品で予算を使い切ることは出来なかったのです。ですから、会員数350〜400台の小さな劇場だった以前の私たちの会では、とても手が出る作品ではなかったのです。

☆大丈夫!大丈夫!!
けれども、今は違います、よい作品やネームバリューのある劇団には会員外の人たちも反応してくれるのです。まして、年に1回しかチャンスがないとすれば、これまでとは取り組みが違ってくるはずです。
そして、劇団は本物を届けてくれることは間違いのない“こんにゃく座”です。
これまで誘っても反応してくれなかった人たちも、きっと反応してくれるはずです。
あとは、子どもたちの可愛い姿を楽しみにしながら、2003年9月に向けて走り出しましょう。

☆念のため・・・
前述の調整会議に参加するときには、万一決定作品が取れなかったときのために、あらかじめ補欠作品を選ぶ必要があります。今回は、県内の多数の劇場とコースが可能な(コースが組めると、交通費・宿泊費の負担が軽くなり、経費が安くなるのです)“劇団うりんこ”「かんづめぼうやコンラッド」を選択しました。
うりんこさんは、これまでにもたくさんの例会で出会ってきた劇団で、そのつど「さすが“うりんこ”・・・」と、納得できる作品を提供してくれる劇団です。

☆小会場作品について・・・
次に、小会場作品については、時期は未定ですが、人形劇団クラルテさんの「おひさま劇場」に取り組むと言うことが承認されました。
今から約8年前・・当時の・可部おやこ劇場初めての地域公演で、関わったみんなに感動を与えてくれた「ぞうくんのさんぽ・ホレのおばあさん」の一之瀬さんと西村さん。
そしてもっと前、初めて低・高別れて例会を企画したときに、低学年作品として選んだ「3つのオレンジ」で7色の声を聞かせてくださり、また「小さい子どもたちほど本物を見分ける力があるんだ!」ということを教えてくださった、奥村さんと高平さん・・・この2組はその後も県のキッズアーツフェスティバルの取り組みでは、豊平や八千代町、加計町などで「ふつうのくま」「かまきりと月」で新たな感動を与えてくれました。

もちろんその後出会ったたくさんの地域公演作品や劇団のみなさんも、素敵な方たちばかりでしたが、やっぱり可部は「クラルテさんが好き!!」というのが、委員会での結論だったのです。
新しい出会いももちろん大切にしていきたいのですが、これからの数年間、私たちの活動が地域に認知され
たくさんの理解者を得るための、とても重要なこの時期には、やはり、自分たちが本当に納得して取り組めるものを取り組んでいくことが、会員の元気につながっていく近道だと思えるのです。
だって、誰だって好きな人に会える・・・って思ったら、自然に元気になれるじゃないですか!!

☆素敵なんです!!
そして、私たちが大好きなクラルテさんを、もっとたくさんの人たちにも大好きになって欲しいのです。
まだ、見たことないよ!・・というあなた、ぜひぜひ出会ってくださいな!!
2組とも、ほんとに素敵な人たちですよ!

☆他には?・・・
最後に、企画作品外の作品の取り組みについて検討しました。
2003年5月に予定している鑑賞事業は、劇団なんじゃもんじゃさんの「さよなら△また来て□まる」と言う幼児〜低学年向けの作品です。
この劇団は、ご夫婦でされていて、もともとは先ほど名前の出ていたうりんこの出身です。
ですから、幼児向けといっても人形劇ではなく、小規模ですがれっきとした舞台劇です。
この、なんじゃもんじゃさんの作品の中に「悔悟」という作品があるのです。
この「悔悟」と言う作品は、ご主人のほうが、ライフワークとして取り組んでいらっしゃる作品で、戦争中に憲兵だった実在の人物の手記を元に、ふじたあさやさんが作られた高学年〜大人対象の一人芝居です。
委員会では、5月の「さよなら△・・・」の公演と併せて、ぜひ、この「悔悟」も上演したいと考えています。
可部おやこ劇場のころから、私たちが、子どもたちに伝えていきたいこととして、平和を常にテーマにしてきました。
世の中の方向性が見えなくなってきている今、改めて戦争とは一体なんだったのか?ということを、一人一人が自分の胸に問いかけるべきだと思うのです。
虫を殺すことさえできなかった主人公の青年が、憲兵になり、最後は人としての感情までもなくしてしまう・・
それが現実に起こったことなのだということを、目をそむけずに、しっかり見つめたいと思うのです。

☆大切にしていきたいこと・・・
もちろん、「悔悟」を鑑賞するだけで終わってしまったのでは取り組みとはいえません。
この上演をきっかけに、2003年度は、様々なかたちで平和について考えていく機会を作ろうと思います。
その手段のひとつとして、映画鑑賞も検討していくつもりです。
具体的な作品についてはまだこれからじっくり考えていくつもりですが、「悔悟」の鑑賞と併せて、2004年6月までのどこかの時期に映画鑑賞も実現したい・・・という委員会からの提案を承認して、今年度の企画総会は幕を閉じました。