イラクの子ども達の絵画展 事前学習会

セイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表、大江厚子さんのお話    
 2006年6月18日(日) 可部公民館


“空”の中高生達が夏休みに企画している、「イラクの子ども達の絵画展」に取り組むに当たり、
前回の、森住卓さんの写真展のときには、まだ小学生で関わっていなかった新しいメンバーや、
写真展の時には、それぞれの事情で関われなかったメンバーに、もう一度大江さんのお話を聞いて、
みんなの思いをひとつにしよう!という目的で、大江さんに来ていただきました。
イラク戦争が終結したといわれ、新しい政府も作られていますが、
本当にイラクに平和がやってきたのでしょうか?
バスラの病院では、生まれてくる赤ちゃんの50%が、先天性異常や小児ガンで生まれてすぐに亡くなっています。
湾岸戦争以後、イラクにばら撒かれたおびただしい数の劣化ウラン弾の影響だといわれています。
「静かなるジェノサイト・・・」そう大江さんは言われていました。

当日の様子と子ども達の感想

私は、劣化ウラン弾の被害で白血病やガンになった子どもを見て、
どうしてなんの罪も無い子どもたちがこんなことにならないといけないのかと思いました。
一生懸命、毎日を過ごしている人達をどうして殺さない
といけないのか分かりません。

戦争が終結したと聞くと、良かったなーとか良いイメージだけれど、
実際はまだまだ多くの人々が苦しんでいるので、まったく喜べないなと思った。
医薬品を送ったりする活動はとても良いことだし、イラクの人々も助かっていると思うけれど、イラクの土地が汚染されているので、たとえ、今病気の人々
を全員治したとしても、また他の人が病気になると思われるので、きりが無いと思うが、根本的な解決ができないのが残念でならない。

アメリカの政治家か誰かしらないが、イラク戦争で劣化ウラン弾を使用することを決めた人物は、イラクの状況を把握して、打開策を早急に打ち出して欲しい。
(放射性物質や放射能をずべて取り除くとか・・)

イラクの人達が安心して住める場所を確保して、放射能がなくなるまでそこで生活をするとかしないと、生まれてくる子どもが全員病気・・ということにもなりかね
ないように思う。
それでも自分たちには出来ないことばかりだと諦めずに、まずはイラクの状況を知り、他の人達に伝え、できることをこつこつとやっていくことが大切だと思った。

経済制裁の結果、多くの人達がなくなって
しまったのが悲しかった。
(注:経済制裁によって、医薬品や治療のための
機器などが輸入されなくなったため)

兵器の査察を再開して、大量破壊兵器は
見つからなかったのに、
アメリカ軍が戦争を勝手にはじめて悲しかった。

イラクの人達は日常の中で、どんな思いで
毎日を過ごしていて、どう思っていたのだろう。

すべての話を聞いて、一番心に残ったのは、子どもたちの事でした。大江さんのお話を聞いていると、よく小学生が『イラクは怖いところ』とか言うことが分かり、私は別の意味でコワイと思いました。
アメリカとの戦争で、がんや白血病で死んでいく人達・・・・。特に小さい子どもたちや私と同じ年の子どもたちが皮膚ガンなどで死んでいくのを知って、怖くて悲しくなりました。
生まれてきた時からもう病気になっている赤ちゃん(注:先天性異常)達の写真を見たとき。『本当に私たちと同じ人間なのか、なぜ同じ人間なのに戦場と日本ではこんなに違うのか』と思いました。がんばって生きて欲しいからこの世に生まれてきたのに…楽しい未来にする希望の子どもたちだったのに…とても残酷で、むごい・・・生まれてすぐにしんでしまうなんて、本当に心が痛みました。

日本のことでは、私は少し自分の住んでいるこの日本がイヤになりました。この前学校でもらったプリントの中に『命』をテーマにた作文があり、その時考えた内容にも今と同じ感情がありました。

今、母から読んだら良いよと薦められた『日本という国』という本を読んでいますが、その本には明治の戦争の事が書いてあって、日本はアメリカのペットか!!って思いました。今日も、イラクが戦争になる前は日本と交流があったのに戦争になったら、日本はアメリカを支援していたのを知って、日本は「平和!平和!」と言って、毎年、広島・長崎で平和のことをやっているのに、どうして他の国にも「戦争をやめろ!」と言えないのか、と疑問に思い、裏切り感を感じました。自分だけが戦争をしないから大丈夫みたいな考えは私は賛成できません。どこの国も戦争をして得られる物はたくさんの死とその家族のたくさんの悲しみ、戦争をしている相手の国への恨みなどしか残らないと思います。そんなつらいことを経験している日本がどうして止めることができないのかと思います。

写真で見た中で、車に乗っていて両親が目の前で殺された女の子のを見た瞬間、もし私がイラクに行って、ガンとかになって死ぬかもしれないと思った時、私の場合どうなるんだろうと考えてみた。両親が殺された時、自分も一緒に親のもとへ行きたがって、自殺すると思う。ガンになったら毎日泣いて、写真の子どもたちのような仏様のような笑顔で笑っているあの子どもたちのようにはならないのではないかと思った。