思春期って何? 報告
2012年10月〜

第86回 「いじめ」問題を考える(2012年10月)

身近な出来事や資料をもとに、次のような内容について話し合いました。

○子どもたちは友達関係の中で孤立不安を感じている。いじめ(攻撃性)や傍観(自己防衛)への衝動が強い。

○誰にも助けを求めることができないとき、加害者も被害者もお互いの関係から逃れられなくなり、いじめは深刻化する。

○いじめ被害も加害も世代間連鎖がある。親の暴力暴言により育てられた子どもが無意識に周囲の人に暴力暴言が出るケース。
いじめ被害がPTSDとなり、生涯にわたり影響が出るケース。
いじめ被害者だった親の不安が子どもに伝わり、子どもが「自分に原因がある」と自己否定に陥るケース。

○子どもだけでなく、親の孤立不安を少なくするアプローチが大切。孤立不安を防ぐには、地域・コミュニティ(学校をふくむ)の力で支えるしくみ作りと身近に相談できる人が必要。

○子どもたちは、良い経験もし、悪い経験もするが、それらをまるごと受け止めて成長していく力を持っている。親も子育ての難しさを乗り越え成長していくのだと思う。


第87「お金の心配なく学びたい」(2012年11月)

国際的標準から見たとき、日本の教育条件はどうなっているか学習しました。

○給付型奨学金がない。奨学金がローン化している。

○高校、大学に授業料があり、公立私立の格差が大きい。

○親の年収と子どもの学力が相関している。

○多くの先進国が教育予算を拡充してきたのは、教育は個人的利益でなく社会全体の利益であり、教育に公費を投入した以上の税収があり財政面からもプラスだから。

子どもの学習や生活がどうなっているか交流しました。

○子どもの多忙化

学校行事が重なるようになり、子どもは追い立てられ先生もいらいらしていて怒ることが多くなった。
中1から内申点が高校へ報告されるようになった時期から、子どもたちは学校生活でプレッシャーを感じる場面が多くなり、行事の中で子ども同士がつながろうという雰囲気が薄くなってきた。

○子どもの格差

家計も学力も二極化が進んだ。母子家庭が増加している。
親は生活するのに必死で子どもの世話はできない。食べること、寝ること、学校生活、友達関係、親子関係などすべて繋がっていて、子どもにしわ寄せが行っている。
旅行費用の先払いができないため修学旅行に行かない子どもが目立ってきた。
給食が唯一の栄養源の子どもがいる。
子どもは、友達関係でも勉強面でも自分が振り落とされないよう必至の思いで生きている。蜘蛛の糸にしがみつくカンダタのようになっている。
他の子どものことを考える余裕はない。ついて来られないのは自己責任であり親の責任という考え方が強くなっている。
自分は関わりたくないので「先生、あの子を何とかしてください。」という子ども(親)の発言が目立つ

○大人にできること

子どもが元気に生活できるよう明るい親や先生であってほしい。
親や先生たちが忙しすぎる。子育て中の親は定時に帰れるようにする。
先進国並みに学級規模を30人以下にする。家庭や学校の雰囲気が落ち着く、目が届く、人間関係のストレスが低下する。
学校、家庭、地域、職場で人と人が断ち切られるのでなく、つながることができる大人が求められている。
子どもと向き合い、子どもを慈しみ、子どもと笑って生活できる大人になりたい。
先進国並みの教育条件整備を求めていこう。

第88回「慈しみ、笑いあいながら子どもと生きる」(2012年12月)

小学生、中学生、高校生、大学生など子ども達の生活の様子を交流しました

○悩みを抱える親と子ども。誰がどう援助できるか?

○就学児検診の付き添いは少し前まで6年生だったが、今は親が付き添っている。
6年生にも、就学児にも事情があるのだろう。

○キャリア教育の一環として、高校の先生が小学校を訪問し授業を行った。
小学生に「夢が叶うのはごく一部の人だからいろいろな分野の勉強をしておいたほうがよい。」という話だった。
小学生の夢はどこへ行くのだろうか?

○高校生はいろいろな進路情報は聞いているが、夢を持ち具体的な目標を目指すのは難しい。

○高校生はライン、ツイッターなどを自由に使いコミュニケーションをとっている。
大学生はスマホでピッと出席を取る。(その後逃げる学生もいるが)レポート提出もメールで。
資料集めは書籍ではなく、インターネットで。
若者の対人関係は大丈夫だろうか?
大人も実態のない情報、宣伝に踊らされていないか?

○子どもの声をていねいに聴き取り、その声の響きを深く考えたい。
周りの子どもや大人の声と響かせ合い、もう一度自分のこととして考えてみたい。
子どもと笑って生活できる大人になれるといいな。

第89回「ネット社会と子ども」(2013年1月)

NHK首都圏スペシャル 「プロジェクト2030 つながれない若者たち -希望ある未来へ- ネット社会で感じる“孤立”」を視聴した後、
若者がネット社会の中で何を思いどのように生活しているのか話し合いました。

○相手の顔を見ながら感情を交流する場面がなくなりつつある。

○悪口、中傷が流され標的にされる。なりすましてそれを煽る。

○ネット上のグループから自分が外される不安や今度は自分の番ではないかという不安を持ちながらネットにつながっている。

○人間関係やそのスキルが成熟していかないとネット社会も成熟せずトラブルを抱え続ける。

○直接対話することの大切さを理解し、実行することができるかどうか。

○ネットのつながりを実際のつながりに発展させ、ともに悩みを語り動き出そうとする若者もいる。

○実際の対話と人間関係を持ちながらネットを使いこなす層と、人間関係から孤立しネットに振り回される層に分かれ、二極化していくのではないか?

第90回「子どもはSOSを出せるか?」(2013年2月)

いじめ、体罰暴力、DVなどにより、SOSの声を出せなくなっている子どもの危機に、周囲の人間はどのようにして気づくことができるか?
外部の人間や組織にどのようにしてつなげることができるか?
という課題意識のもと、子どもや親の不安にどう向き合えばよいか身近な体験を交流した。

○親からビンタをされている子どもは、周りの子どもにビンタをする。

○親からプレッシャーを受けている子どもは、仲間をしつこくからかう。いじめにつながる。

○体罰をしつけとしてとらえる世代(親)と、暴力としてとらえる世代(親)の間にギャップがある。

○体罰暴力がマスコミに取り上げられているが、被害者の思いは表に出てこない。                  

○スポーツなどで、体罰暴力により挫折した人は一生そのことを口に出せない。

○被害者やそのまわりの人間が駆け込み寺として相談できる、第三者機関が必要。既存の組織は自己防衛に走り、被害者の救済を第一とできない。

○しつけや善悪を理解させるためには、体罰も必要という子ども観と、対話により人間関係を理解させないと心が育たないという子ども観がある。

○子どもの成長には対話が必要であることが、社会に発信されていない。親はそれを知る機会がなく、子どもにどう話をしたらいいかわからない。

○家庭、学校、社会から、みんなで一緒に笑って遊ぶ、そんな場面がなくなりつつある。ネットでつながる程度になり、対話の土壌がなくなった。

○自分で感じて、自分で考えて、自分で選ぶ、という体験がなくなった。わかってもらう、という体験もなくなった。
子どもの成長に必要なものがなくなった。子どもの成長発達の権利を奪っている。

○身の回りすべて、親や学校やネットがしてくれるので、大人やいろいろな人と話す、あいさつする、気を配るなど必要のない生活になった。
人間としての行動力も弱くなる。

○発達障害や親の養育態度をチェックするため、就学児検診に親が付き添うようになった。
以前は6年生が付き添い、最上級生の役割や小学生になる喜びを体験する節目だったが…。成長の機会が失われていく。

○親も忙しく、関わりが面倒くさいので、地域では、町内会、子ども会が成立しない。子どもが社会を知る場面がなくなる。

○被害者の自己責任を取り上げても、解決につながらない。

○友達のうわさや悪口を言うことで友達関係が悪化し、子どもはいじめの加害者・被害者になる。
勉強どころではなくなり、不登校や転校となることもある。いろいろな人とつきあえる子どもになってほしい。
親は子どもの前で、人のうわさや悪口を言わないようにしたい。

第91回「子育て、教育はどう変わるか?」(2013年3月)

新年度予算や教育再生実行会議(内閣)、教育再生実行本部(自民党)、中央教育審議会の議論から、子育てや教育が今後どう変わろうとしているのか学習した。

○新年度は今年度に比べ全国で800人の教職員定数改善、35人学級は見送り。

○財務省は今後、全国学力テストの成績と学級規模の相関が認められれば、35人学級見送りを再検討すると述べた。

○いじめ未然防止として、今年度から「心のノート」が復活。「道徳の教科化」「いじめ防止対策基本法」を検討開始。

○新年度は、いじめ早期発見・早期対応として、全国で「スクールカウンセラーのハイツ2110校増」「スクールソーシャルワーカーの配置242人増」「元警察官、教員等の派遣67箇所増」。

○学力向上対策として「全国学力テストの全校実施」し、結果公表を検討。

○高校授業料無償化はH26年度から所得制限を設けることで検討中。

○待機児童解消のため「保育所定員の増加」「保育ママ増員」「延長保育の増加」など。今後、保育所システムが待機児童解消につながるか注目される。

○6・3・3・4・制のみなおうぃの検討に入った。「幼児教育の無償化」「小中一貫教育」「高大接続テスト」との関連が注目される。

○中央審議会が「教育振興基本計画」の中で、教育財政の支出をOECD諸国平均の5.8%(GDP比)まで引き上げることを明記。現在、日本の教育予算はOECD諸国の中で最下位の3.8%(GDP比)。
これを5.8%まで引き上げるには、年間で約10兆円の上積みが必要となる。

○自民党は、教育再生の「三本の矢」として、@英語教育→大学受験・卒業のTOEFL条件 A理数系教育→スーパー・サイエンス・ハイスクールの生徒を倍増。

 BITC教育→小中高児童・生徒に1台ずつタブレット端末を配備など「グローバル人材育成推進法」を提唱し、「世界最高水準の学力の実現」を目指す。

○教員、保育士、カウンセラー、ソーシャルワーカーなd専門職を非正規で安く使うのはいかがなものか。教育・福祉の実現はh戸出が足りない。予算を使うところが違うのではないか?

○親の働き方や家計の支援と子どもの保育や教育の支援を通して、子どもが育つコミュニティを地域に作っいく政策が必要。

○全国学力テスト対策のドリルが繰り返され、学校間の点数競争が加速している。平均点よりも子ども一人一人の課題へ、どう対応するかが大切。学習支援には少人数学級が一番効果的。

○年額10兆円は「グローバル人材育成推進法」で使われるのだろうか?先進国並みの教育条件(待機児童解消・30人学級・高等教育の授業料無償化・給付制奨学金)を実現してほしい。

第92回

大津市の中学2年の男子生徒が自殺した問題で、第三者調査委員会の調査報告書の「提言」を読み、いじめを乗り越える学校や社会のもうひとつの在り方について話し合った。

 

○小学校で一緒に遊んでいた子が中学生になり、「問題あり」ということで中学校に入れてもらえなくなった。わが子はその子が寂しそうだと言う。受け入れができなくなっている事情は何だろうか。

○適応できる子とできない子の格差が拡がってきた。

○私立中学のよさと公立中学校の難しさはあるが、公立中学校に行った我が子は、「いろんな子がいて、現実を知った。その中で、いろいろ考えて上手にやっていけるようになった。」と言う。

○子どもも親も、一緒に何とかしようとする意識が希薄になり、無関心や自己責任を求める意識に変わってきた。人への思いやりの対象・範囲が限定されつつある。

○経済格差が拡がると、人々のつながりが希薄になり、社会不安が増える。結局は福祉などの財政的な負担が増える。どんな家庭に生まれても、どんな状況になった子どもにも、十分なケアーのできる福祉国家を目指してほしい。結果的に財政負担は軽くなる。

○経済効率を追及するあまり、子どもが生みにくい、育ちにくい世の中になったのでは、子や孫が困る。

○子どもの権利委員会の勧告にあるように、いじめや体罰を調査・是正する権限をもつ「子どもの人権オンブズマン」が重要。だれでもアクセスでき救済される第三者独立機関が必要。

○日本社会はこの提言の逆方向へ進もうとしているのではないか。

第93回 「子どもの遊びとつながり 〜何して遊ぶ?どう誘う?〜 」  2013年5月18日(日)

部活や塾、習い事もある中、「時間がない」「場所がない」「仲間がいない」 という状況をクリアし、中高生はどうやってつながり、何をして遊んでいるのか、
余暇の過ごし方について情報交流をした。

○忙しい中、PC、レンタルDVD、スマホなど便利で効率よく遊んでいる。

○LINEで子どもたちがグループを作っている。何か起こるのではないかと不安を訴える母親。

○ネット環境がない子どもたちは、直接集まって遊びに行く。

○親のダブルワーク、深夜の仕事により、寝る時間、起きる時間がそろわない家の子どもたちは、夜型生活になり深夜営業の店に集まることもある。

○小学生向けの初めてのスマホを売り出している。扱い方を指導するのは、売る側の責任?持たせる親の責任?

○スマホの危険性、使い方を教えないといけない時代だが、親も教員もよく知らない世界を誰が教えるか?

○便利すぎて退化する部分がある。めんどうな操作、根気のいる作業が苦手。

○タブレットが子どもひとり1台(冊)の時代へ。

○マニュアル、レシピがないと動けない。ナビに従って動くだけ。全体を把握し見通しを持ち事態を想定し対応を考えておくのは苦手。スマホが使えなくなるとパニックになるのでは?

○一つのことには詳しいが、その背景や、他とのつながり、全体を見ることはできなくなる。シュミレーションができない。

○指示待ち族の時代はさらに進化し、ナビ族へ?

○就活では鍛えられていて、面接官が「同じ答え方をするのでおもしろくない。」と語る。

○I知らない人に声をかけることがない若者たち。T世代の新人研修では、リアルな体験が重視されている。自衛隊研修、100人へ名刺を渡す研修など。

○若者にこそ、仲間同士でわいわいとゆったりと過ごし、直接対話や実体験をする時間と機会が必要だ。大人が成果目標や経済効率を求めすぎているのではないか。
若者には豊かな時間を経験してほしい。

第94回 「若者の未来はどうなる? 〜憲法改正と平和を考える〜 」 2013年6月29日(土)

弁護士の中村越史さん(可部総合法律事務所 広島弁護士会平和憲法委員)を講師として招き憲法改正草案を学習した。改正草案が何をめざしているかわかりやすく解説していただいた。改正草案がめざす国のしくみのもとで、国民の生活や子どもたちの未来はどう変わるのか話し合い、子どもたちの未来に何を手渡すべきか考えることができた。

【学習内容と出された意見】

@ 立憲主義から非立憲主義へ

○立憲主義とは…憲法は国民の権利を守らせるため国家権力を縛るもの(国民が国家に憲法順守を命ずる)

○非立憲主義とは…憲法は国家権力を行使するため国民の権利を制限するもの(人権の保障度を下げ、数多くの義務規定を盛り込む)

○立憲主義の憲法は、国民が国家権力に対して、憲法改正を厳しく制限する

○非立憲主義の憲法は、国家権力が憲法改正を行いやすくする

○大多数の国民が求める必要性の高い内容であれば、憲法改正は行われる。スイス、アメリカなどは憲法改正要件のハードルは高いが、
何回も改憲されてきた。日本国憲法が改憲されてこなかったのは、国民的要求が少なく国民から見て必要性が低かったから。

○改正草案では、96条の憲法改正要件のハードルを下げ、改憲しやすくしている。

○改正草案では、「国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。」と変更。50%くらいの低投票率であれば、25%くらいの少ない票数で改憲できる。

A 平和主義から戦争をする国へ

○平和的生存権を削除し、穏やかな表現ながら国民の国防義務を明記。

○自衛権を無制限に認め、集団的自衛権行使が可能になる。

○国防軍を創設する。国防義務の下で公務員、企業従業員、市民は戦争協力に動員される。

B 天皇の元首化と国民主権の後退

○天皇の元首化を明記。元首の解釈には諸説あるが、天皇主権を強化し国民主権を弱める方向。

○元首化で天皇は大変な重荷を背負うことになる。気持ちを言えない立場だが、天皇自身は元首化を断りたいのではないか。

C 権利拡大には後ろ向き、義務拡大には前のめり

○「公共の福祉」とは… 個人の権利が他者の権利と衝突した場合の調整

○「公共の福祉」を削除し、「公益及び公の秩序に反しない限り(権利を認める)」と変更。人権の上に公益・秩序を置き、国民に様々な義務を課す考え方。

○「個人として尊重される」を「人として尊重される」に変更。家族や国家に所属する人としての存在が個人の存在より上位とする考え方。

○国民の責務として「公益及び公の秩序に反してはならない」と明記。国の決定が優先され、基本的人権は制限できる。

○政府の意思で「公益及び公の秩序」はどのようにでも解釈でき、国は国民の考え方や行動のしかを規定、制限できるようになる。

○「安全保障=公益」に反するとして、表現の自由は規制され戦争に反対できなくなる。

○「電力供給=公益」に反するとして、反原発運動は規制されるだろう。

○「基本的人権は…将来の国民に与えられる」を削除。放射線による晩発障害など将来の国民的被害は免責されるだろう。

○日の丸・君が代の尊重義務を明記。「各家庭で国旗を掲げましょう」という強制指導がされるだろう。「何でお前の家は日の丸を掲げないのか?」となり、子どもの心理的負担が心配。

○現行の三大義務(納税・勤労・教育)から、国防義務、日の丸・君が代尊重義務、領土・資源確保義務、公益及び公の秩序服従義務、個人情報不当取得等禁止義務、家族助け合い義務、
環境保全義務、地方自治負担分担義務、緊急事態指示服従義務、憲法尊重擁護義務など、国民に対する義務規定を拡大。
学校教育ではこれらの義務を果たす国民を育てるため、教育内容が大きく変えられるだろう。

【出された感想】

○何も知らされていない多くの若者がいる。若者が知るために何をすればよいのだろう?

○一方で、平和憲法を深く理解し行動している若者もいる。期待したい。

○改憲草案の内容がよくわかった。憲法の中身を理解することから始め、みなさんと一緒に考えていきたい。

○まず家族と憲法の話をしたい。知り合いにも憲法の話を伝えていく。

○託児を設けるなどして、子どもの未来と憲法を若いお母さんと一緒に考える会を持ちたい。

○親にはいろいろなプレッシャーがかかっていて、子育てが大変になっている。親と一緒に不安を分かち合いながら、
「〜しないといけなくなったら困るよね」と対話し、憲法問題が子育てや平和と直結していることを広めたい。

○憲法の役割をわかりやすく、深く解説しているのが「中高生のための憲法教室」(伊藤真)

○憲法の役割を、心に響く詩で表現しているのが「憲法って、何だろう?」(日本弁護士連合会)

○マスコミの報道は一面的で、本当に重要な情報は報道されない。国民生活に大きな影響をおよぼす事柄について情報公開し真実を追求する報道が少なくなった。

○選挙へ行こう。多くの人が選挙に行き国民多数の意思表示により日本の進路を決めていくしかない。選挙へ行かない人が多いのは、
マスコミが報道する争点が国民大衆の生活や心配事と結びつかないから。憲法改正問題を国民の生活と子どもの未来という視点から問う報道をしてほしい。

○イラク派兵の時、劣化ウラン弾をとりあげイラクの子どもたちの写真展を企画した子どもたちが今、社会人になりはじめている。彼らと一緒に憲法の話をしていきたい。

○改正草案は「国家が主人公?」と思うような復古調で、今の時代に国民の権利や自由をそこまで制限できると考えていること自体が怖い。

○年配の戦争体験者は9条改正には絶対反対するし、国防軍には鳥肌が立つと思う。

○現憲法は時代遅れという情報がマスコミで流されていて、今より内容がよくなると思って憲法改正に賛成する人も多い。
しかし、改正草案の内容は知らされていない。基本的人権の制限や国防軍、集団的自衛権などを知れば驚くだろう。

○「戦争のつくりかた」(りぼんぷろじぇくと)で語られたことと同じことが今起きていて恐ろしい。

第95回  「いじめ対策法」でいじめはどうなる!?2013年7月28日(日)

いじめ防止対策推進法が成立し10月から施行されることになった。深刻ないじめ事件が後を絶たない中、各教育委員会・学校が今後どのように動き出すか関心が集まっている。今、家庭や学校がどのような状況になっているか交流し、いじめが生じる背景をつかむことができた。また、大人と子どもはどうのように向き合えばよいか話し合うことができた。

いじめをどうやって防ぐか?

○教室の生徒数を少なくし、ひとりひとりに声をかけられるサイズにしてほしい。今よりいじめは少なくなると思う。

○いじめに向き合う大人、担任の先生や管理職

の対応に当たりはずれがある。学校や先生によっていじめへの対応に濃淡があると困る。いじめ防止法はそこに対応しているのかな?

○被害者を守るのが最優先だが、それだけでいじめはなくならない。一番の対策は、いじめの加害者を減らすこと。
時間と労力はかかるが加害者の心を解きほぐすケアが重要だ。いじめ防止法にその視点はあるのかな?

○いじめられる経験すれば打たれ強くなることはあるか? → 打たれて自分が苦しい時、孤立無援であれば乗り越えられないし強くもなれない。
誰かに受け止めてもらい助けてもらう経験が乗り越える強さを育てる。

○子ども時代のいじめ被害を乗り越えられないまま大人になり、心の傷を引きずることがある。
どこかで誰かに吐き出すことができればよいのだが…。

いじめの原因は何か?

○いじめをする子どもは、幼いころから自分の気持ちを受け止めてもらう経験少ない。その一方で、言葉や暴力で抑圧される経験をしている。

○愛情に満たされる経験が少ない→自己肯定感が低い→無意識に愛情を求める→注目獲得行動や試し行動をひんぱんに行う…という流れで学級崩壊の原因となった子どもがいる。
これは、いじめ問題にもあてはまると思う。

○愛情に満たされる基礎がない子どもには、後付けでもよいので、地域の中で活動させ大人から称賛される場面を経験させると落ち着く。

○いじめは社会の負の部分が生み出すもので、大人社会の方がいじめはひどい。
格差と貧困の時代になり、親は自分が生活していくのが精一杯で子どもの気持ちを聴き取るゆとりはない。
「競争と自己責任」が幅を利かせ勝ち組に価値のある社会を転換させたい。
「支え合い、思いやり、弱いものの味方」に価値のある社会を築くことがいじめ撲滅への道。

親・大人は子どもとどう向き合うか?

子どもの行動パターン
□受け止めてもらえると感じる(自己肯定感) → 脳は考えようとする(意欲)→自分で行動を選択する(自分から動く)

■受け止めてもらえないと感じる(自己否定感) → 脳は考えようとしない(無気力)→自分では行動を選択しない(言われないと動かない、言われても動かない)

□と■のどちらを繰り返して大人になっていくか? 考え方、行動パターンに大きく影響する。いじめ問題にも影響している。

○感情を口に出し言葉にして言わせる。そして、聴く。「で、どうする?」と選択させる。

○子どもは、自分が選択したことなら、失敗しても親のせいにしない。子どもは自分で考えてつぎの選択をする。

○親自身の気持ちと子どもの気持ちがぶつかり、親も葛藤する。親はその場から離れクールダウンする技も必要。

○みんな悩んで親になる。失敗もあり、心の傷も負うがそれが親の成長のプロセスとなる。

○やられたらやり返せという仕返しの発想では、加害と被害の泥沼に入り込む。

○子どもが、家庭や学校以外で、大人と接することがない時代になった。子どもは大人や多くの人に出会い、心を動かしながら育っていくのだが…。

 

第96回  「悪口、陰口、言葉の暴力はなぜ?」 2013年8月31日(土

○孤立不安にさらされる子どもたち

今、子どもたちの世界では、孤立した者を笑いとからかいのターゲットにして、孤立感、イライラ感を解消し自分の居場所を確保しようとする欲求が渦巻いている。
その中で、異質であることをさらけ出したり、その場の「ノリ」に共感できなかったりすると、いじめ被害者のイスが自分にまわってくるかもしれないという恐れから、
子どもたちは「キャラ」を必死で演じて自分の居場所を確保しようとする。
いじめが拡がる土台には、子どもたちがこのような孤立不安にさらされ、居場所獲得バトルの渦に巻き込まれた生活がある。
不安と恐れが渦巻く子どもたちの世界を大人は知る必要がある。

○周りを信じられたら、どんなに安心できるだろうか

自分に攻撃的になっている子ども、他者に攻撃的になっている子ども、どちらも自分が孤立する不安に怯えている。
今子どもたちが切実に求めているのは、自分のまわりに一緒にいてくれる仲間や大人であり、自分の思いや悩みを聞いてくれる人間関係だ。
自分の周りに信じられ安心できる仲間や大人がいれば、どれだけ癒され安心できるだろうか。
また、相談できる人や窓口があることを知っていれば、たとえトラブルが起こったとしても、極限まで追いつめられるのを防ぐことにつながる。
家庭、学校、地域の大人たちは子どもの生活を見守り協働し、子どもたちが誰かとつながるよう子どもの生活を組み替える働きかけをしていくことが求められる。
その関わりの中で、トラブルを非暴力的な方法で解決する術を子どもに伝えていくことができるのではないか。

○経験回数が減って子ども世界が大きく変わった

子どもは、生活の中で大人が営む人間関係を見聞きして育つが、その経験回数が減っている。
日々の便利な暮らしの中で、子どもたちは、いろいろな人々の生活を見聞きする機会がなくなり、その裏にある苦労や喜びを肌で感じ取る経験がなくなった。
人とのつながり方を知らずにすんでいく生活をしながら大人になる時代だ。
団塊世代は群れて遊び地域と密着し子ども時代を過ごしたが、団塊ジュニア以降は消費生活の中で育ち、日常生活の中で大人の姿を学び取る経験の少ない子ども時代を過ごしてきた。
人間関係を築く経験回数が少ない世代が今、親や教師になっている。

○状況判断する力が育ちにくい

子どもの遊ぶ場所も、遊ぶ仲間も、遊ぶ時間もなくなったと言われて久しい。公園でのボール遊び禁止など、安全規制が張り巡らされ、遊びの選択肢が少なくなった。
遊びがゲームなどデジタル化し、仲間と一緒に体を動かし自然の中で遊ぶことを通して、周りへの気配りや状況判断、力加減を身につけるチャンスを摘まれてきた。
自分の行動の結果がどうなるかという想像力が育たない。
子ども時代には自己責任で自然と仲間と遊ぶ世界が必要だ。

デジタル世代は、情報ツールを活用し状況判断や協力することに優れている。しかし、緊急事態でシャットダウンされた状況に対応できるだろうか。
アナログ世代のような、人やモノをつなげて対応する経験が必要だろう。

○親の価値観が子どもに伝わりにくい

親が子どもにお手伝いをお願いしたとき、「それは母さんの仕事でしょう!」という子どもがいる。
「それは違う!自分の損得だけでいいの?」と子どもに言い返せない親もいる。
得か損か、快か不快かというレベルでものを考える生活スタイルになり、親の願いの元にある考え方や価値観が子どもに伝わりにくくなっている。

「ルール違反をした者を厳しく罰してほしい」「正直にやっている者が損する」という子どもの声が増えた。
その背景には、子どもの内面に価値観が育たずルールやマニュアルで対応する習慣が身についているからではないか?

わが子には、損得を乗り越えて自分の良心に正直な人になってほしい。
「見られていなければ何をしてもいい」という大人になってほしくない。
「名を惜しむ」「恥じ入る」「誇りある」大人になってほしい。
良心が傷つくのが最大の罰であることを幼い頃から、心にしみこむ言葉で子どもに語っていきたい。
親子で向き合うとき、損得と良心の間で葛藤する対話をしていきたい。


第97回  「ゼロトレランス」って何?2013年9月21日(土)

ゼロトレランス方式とは、割れ窓理論をもとにして1990年代にアメリカで始まった教育方針の一つ。「zero」「tolerance(寛容)」は、日本語では「非寛容」等と表現され、転じて「毅然たる対応方式」などと意訳されます。学校の規則に違反した場合は、細部まで罰則を定め厳密に処分を行う指導方式です。

ゼロトレランス方式が日本の学校にも導入され、「生徒指導規定」として生徒・保護者に示されるようになりました。その中心となるのは、「特別な指導」と「別室指導」により「荒れ」の中心となる生徒を教室・学校から隔離する指導方式です。「落ち着いた学校生活を保障して学力をつけてほしい」という保護者の願いや、「規定があることで生徒指導がしやすくなった」という先生の声もあり歓迎されている面もありますが、一方で「生徒指導規定」を導入して以降、今までには考えられなかったような言動が子どもたちからも先生たちにも見られるようになったという報告もあります。「生徒指導規定」をめぐって、子どもの姿や学校の様子を見つめてみましょう。

「生徒指導規定」は愛を奪う

雪の舞う朝、寒さで震える子どもに「8時までは校舎に入れませんよ!規定(生徒指導規定)に書いてあるでしょ?」と言って通り過ぎる生徒指導主事の先生。
指導によって子どもの愛が奪われた瞬間だ。
一方、「生徒指導規定」ができて生徒指導がやりやすくなったという先生たちの声がある。子どもにどんな指導をするか、悩み考え判断することが不要になるからだ。
より便利で機能的な商品が登場し日常生活の煩わしさが軽くなり楽になった感覚だ。
「生徒指導規定」を掲げていれば、子どもを愛する痛みは薄められていく。

今、多くの大人が多忙と過労でギリギリの生活をしていて、子どもたちは親や先生から面倒くさい手間のかかることをしてもらえなくなった。
忙しさと便利さの間で、子どもたちは愛をもらいそこねているのではないか。

サービス業、だから「生徒指導規定」

「自分たちで決めたい」という声は廃れ「先生が決めてほしい」という子どもの声が増えた。
当事者になると面倒なことに巻き込まれるという感覚が拡がった。
人に任せて自分はサービスの提供を受けるという価値観だ。たしかに、学校はサービス業と言われるようになった。
「生徒指導規定」も、落ち着いた授業を提供するためのひとつのサービスのように見えてくる。

機能的、だから「生徒指導規定」

子ども同士のトラブルが起こった時、当事者だけの問題として指導がされ学級で話し合う機会が少なくなった。
トラブルが起こるまでのいきさつやこれからの展開は、根っこの所で学級のすべての子どもの生活に関係していて、みんなの問題として話し合う意味がある。
今、先生たちは手っ取り早く解決しないと回らなくなるというあせりから、学級で話し合うよりも当事者の指導だけで済ませようとする。
そんな多忙な学校現場に、便利で機能的な「生徒指導規定」がフィットしてくる。

「生徒指導規定」の先にあるもの

「自分たちのことは自分たちで話し合って決める、その過程が民主主義、その結果が自分たちで決めた規則」とひと昔前の学校で教えたが、今そんな面倒くさい民主主義は消え去ろうとしている。
「生徒指導規定」もそうだが、子どもたちは自分たちの規則について相談されることはない。
規則を「つくる」「かえる」ことを体験せず、ただ規則に従うことだけが教えられ大人になっていく。
物言わず言われたとおり従う大勢の人々が育っていく。
マスコミや流行に踊らされ、サービスを消費し続け、この先の激流に向かって流され続ける。

大人の責任

子どもの生活や思い、問題が起こった背景をさぐり、そこへのケアーを行うのが大人の責任。
今、困難を抱えた子どもへのケアーは不十分なまま、格差は大きくなっている。
問題を起こす子どもや親に罰を与えればいいという「自己責任論」では問題は深刻化し、犯罪多発社会となる。
防犯のために将来の資産を費すことになる。
弱者を優先的にケアーする社会こそが普通の人々が安心して暮らせる社会だ。
「弱い者の味方」をするかっこいい大人の姿を今子どもに見せたい。「情けは人のためならず」という価値感を子どもたちに伝えたい。

第98回  「若者の性と生を考える」  2013年10月20日(日)

本物の男女共同参画社会を

男女平等は当たり前のように言われるようになり、学校でも男女共同参画社会について学習する。しかし、社会に出ると、女性は「男性社会」が暗黙の了解であることを知る。女性は、夫や親戚、世の中の「女性は家事、男性は仕事」という無言の常識を感じながら、もちろん様々な支えはあるのだが、結婚・妊娠・出産・子育ての負担を女性として受け入れていく。
男女共同参画社会を本物にする道のりは長い。

女性が感じる負担感や壁を男性が感じるのは難しい。「ぼく手伝うから」という男性の言葉は「二人で分担してやっていく」という女性の願いからはすれ違っているように。
女性は本質的なことを自分の生活で感じ取り正直な気持ちで言い表すが、男性は生活感から離れた社会一般論として理解しがちだ。
男女はかみ合わない所があるが、お互いの負担を話し合い分担し助け合うことはできる。
大変な苦労があるからこそ、話し合い、わかり合い、分かち合う日常に幸せがあるのだと思う。

家族像の多様化

TVなどで一般的?家庭が登場するが、実際には家族像の多様化が始まっている。若い世代は、男女の役割意識も変わりつつある。
女性が仕事で男性が家事・育児という家族もある。
家事・育児を分担せずパートナーに負担を押し付ける男性は見限られる。
親の援助を受けながら仕事と子育てをするシングルマザーが増えている。
親との同居ができるので、街中より田舎の方が離婚し実家で暮らすケースが多い。
シングルファーザーも増えている。

結婚できる収入と働き方を

非正規雇用・低所得時代になり、二人で働いて二人で家事・育児を分担する、それができないと結婚し家庭を持つことは難しい。
女性から見れば、自分に負担がかかるのは十分予想でき、そこまで無理をするなら一人で自分なりに生きていく方が幸せかもしれない、という選択もある。
また、仕事と家事の両方こなす苦労を考えると、収入のある男性を見つけて専業主婦として家庭に入ることを希望する女性も増えている。
男性から見れば、自分の生活がギリギリであり、結婚して家族を養う見通しが持てないし長時間不規則な働き方で、家事・育児を分担できそうにもない。

就職の見通しが立たず、就職活動をする大学生の2割が死にたいと考えることもあるうつ状態と言われる。
結婚し家庭を持つことへの展望が持てる雇用・収入・働き方に変えていく必要がある。

子ども優先の社会を

少子化を克服した先進国の例のように、どんな家庭環境、経済条件の子どもであっても必要な保育や教育が受けられるしくみがあれば、
安心して出産でき子育てや子どもの教育にも見通しが持てる。
現状では、保育や教育は家族や実家の自助努力・負担でまかなわれる部分が大きい。
保育や教育は利用者の受益行為として公的な支援は例外扱いとなっている。
社会の最優先に子どもの成長発達の権利保障を据え、どの子どもにもその子どもに必要な保育や教育が受けられるようにする、急がば回れの少子化対策となる。

かわいい子には旅をさせよう

直接のコミュニケーションが苦手だがSNSは得意、ゲームの中で女性とつきあえる時代。
出会いの場がなくなり、お見合いや婚活、親の婚活、街コンが盛んに言われる時代。

お見合いをしてよい雰囲気なのになかなか前へ進まないこともある。
しっかり者の母親としっかりした女性の間でゆれ動く自信のない男性がいる。

男の子は女の子に母親の姿をだぶらせる。女の子に積極的にアプローチできず困ってしまう男の子が増えたのもその影響か?

娘には自分の力で生きていけるよう、身の回りの事がしっかりできるよう育てるが、息子には手をかけ過ぎている。
男の子はナイーブで傷つきやすい。だから、「男の子は強く」という刷り込みがされてきた。息子には家事や料理をさせ自分から動ける男子に育てる。
息子も娘も自分で生活できるよう家から放り出そう。


99回  『子ども・子育て支援新制度』って何?  2013年11月24日(日)

認定子ども園って何?

・幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4つに分類され、幼保一体化を目指している。

・待機児解消、少子化対策、女性の就労促進がねらい。

・保育の必要性の認定は保護者の就労状況によって利用時間が限定される。現行の8時間一斉保育と並行して、子どもごとの時間帯保育が行われる。

・保育の必要性の認定を受けていない子どもも利用することができる。(直接申し込み、自己負担)

・利用料はいくらになるのだろうか?

小規模保育って何?

・待機児解消をねらい、家庭的保育(保育ママ 1〜5人)、小規模保育(6〜19人)に補助金を出し、企業参入を認める。

・設備・面積基準、保育士の割合、立地環境基準などが規制緩和される。

・大都市では駅周辺など便利なビル内などに、小規模の保育施設が増えるだろう。

・営利保育企業では、傘下の企業が納入業者となり、教材費や給食費が一般的な保育経営より突出する例がある。

・営利保育企業では、園長は正規雇用だが、それ以外の保育士は非正規雇用という例がある。

・社会福祉法人では、人件費比率は7〜8割が一般的だが、営利保育企業の中には5割という例もある。

・乳幼児の安全基準は十二分に満たさないと危ない。基準の緩和が心配。

・かけがえのない乳幼児期なので、最低でも現行の基準で保育をしてほしい。

・乳幼児期の発達のもつれが思春期になって人間関係のトラブルとして表れる。人生で一番大切にされるべき時期に手間暇をかけた保育を行う。そのための支援制度であってほしい。

認可保育園を増やしたい

・夫婦二人で仕事・家事・育児を分担する時代になった。ニーズに応えるいろいろな保育は必要だが、認可保育園を増やすことを基本にしてほしい。

・幼稚園に保育所の機能を持たせるには、人件費や設備費が必要になる。採算がとれるよう財政支援が必要。

・子どもが減っている地域では、幼稚園が保育所に移行しつつある。

財源はどうする

・消費税増税分から7000億円、さらに他の財源から3000億円、合計1兆円超の財源確保を目指す。

・他のことはがまんしても、保育や教育に予算を使うようにしてほしい。

・保育士の給与が一般平均より9万円低いというデータがある。保育士の離職率が高くなっており、保育士不足は深刻だ。

・どの程度の財政支援(補助金)になるか、どのような制度設計になるか、保護者の負担はどの程度になるか、これから決められていく。しっかりと見守りたい。

・広島市でも子ども・子育て会議(社会福祉審議会児童福祉専門分科会)が開かれている。20人の審議委員には子育ての困難を打開する施策を提言してほしい。

 

100回  『学力』って何?  2014年1月11日(土)

現行指導要領(2007年度改定)と次期指導要領(2016年度改定予定)が目指す学力

・「ゆとり教育」の見直し。「確かな学力」へ授業時数、教科書の内容を増やす。

・全国一斉学力テストの結果を授業改善に活かす。活用力に課題があるので、授業やテストの中で活用問題を練習させる。PISA型学力の向上。

・グローバル人材の育成。言語活動をどの教科でも指導しプレゼンテーション能力を高める。

小学校から英語を導入し、中学校の英語授業は英語で行い、英語力をアップさせる。

・「日本人のこころ」を育てる。道徳教育を重視し、教科に格上げし検定教科書を使用し評価を行う。高校版道徳「公共」の導入。高校日本史必修化。

受験知だけでない学力

・現実の文脈を探る中から基礎基本を学んでいくスタイルが大切。知識と知識をつなぐ力、つないで具体的な問題を解く力が育つ。うわべだけの基礎基本(受験知)は役に立たない。

・命の本質を共同性と捉え生きていく。「私たちはひとりでは生きられない、つながりあって生きている」そのことを見抜いていくための基礎基本。

・真実を知り、感動を表現し、それを他者に伝え、返ってきた考えに耳をすませ、確かなものにする。そういう交流しあう力まで含めたものが「学力」

・「いのち輝く」視点から人間の存在の尊厳を学ぶ。そこから、自分が深くわかり、人間を理解するのが教育の目的。

・日本にだけ視野をとどめ閉塞感を強めている。もっと広い世界を見ながら学習をするのが学校。

子どもたちに何を伝えるか

・重大事故や災害、紛争などの危機を見通し、備える力・いざというとき瞬時に判断する力・人と人をつないで協力する力・困難の中でなけなしの条件を引き出す力が大切だ。

・人間性も含め、点数だけでない本物の学力を身につけてほしい。そんな学力は、子どもたちが学び合ってこそ育つ。

・途上国の子どもたちの目は輝いているが、日本の子どもたちの目は輝きを失っている。教育だけが問題ではないと思う。子どもの数を増やしたい。子どもの幸せも増やしたい。

・親が我が子の将来の幸せを考え、いろいろ心配するのは当然だが、親は子どもの生涯を一生保護できないし、思うようにもならない。
我が子が自分の力で生きていけるように、どんな力がどんな経験から身につくか、周りの人と一緒に考え助け合える大人でありたい。